親愛なる白人様 シーズン4

親愛なる白人様 シーズン4
そして第1シーズンで2回も描かれたのが、警官(学内セキュリティ)による人種を理由にした過度な銃暴力――つまり現実のニュースで頻繁に報道される、無実の黒人が偏見を持った警官によって殺される事件のことである。これは第2シーズンでも引き続き描かれており、いかに黒人の間で重要な問題となっているのかがよくわかる。 また、先に書いた主人公と荒らしとのSNS対決も現実社会における問題のひとつである。シミエン監督は第1シーズンの配信時に、自分たちが攻撃されていると感じた一部の白人視聴者からSNS上で「#ネットフリックスをボイコットせよ」という反撃を食らってしまう。そんな体験から、第2シーズンにネットの荒らしを登場させたのだ。サマンサはSNSでも身分を晒しているが、荒らしは自分の正体を隠したまま攻撃し続け、時には「サマンサは白人とのハーフ」といった個人攻撃もしている。 ここで注目すべきは、その荒らしのSNSのアカウント名が「ALTIVYW」である点だ。これはつまり「ALT IVY W(アルト・アイヴィー・W)」のことで、アルトはドナルド・トランプが大統領に立候補したときに支持した白人ナショナリズムのオルタナ右翼を指す。オルタナ右翼とは、白人ナショナリズムという言葉が示す通り、白人至上主義であり、かつ反フェミニズムで排外主義の人たちのこと。そんな彼らが移民政策を打ち出したトランプを支持するのは当然のことであった。

あらすじ
「親愛なる白人様」のシリーズ4では、パンデミック後のそう遠くない未来から、ウィンチェスター大学での最後の年、キャラクターたちのその後の人生を決定づける大切な (かつ劇的な) 時期を振り返ります。アフロフューチャリズム的かつ90年代風のミュージカルイベントを描く今シリーズの「親愛なる白人様」は、見逃せない最終章となります。時として、前に進むための唯一の方法は、あの頃に戻ってみることかもしれません。

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