久保田紗友、小野花梨、東野絢香、中島瑠菜、横花流星主演『べらぼう』で大河ドラマ初出演

 横浜流星が主演を務める2025年NHK大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』に、水野美紀、久保田紗友、小野花梨、東野絢香、中島瑠菜、かたせ梨乃が出演することが発表された。

 本作は、“江戸のメディア王”として時代の寵児になった快男児・蔦屋重三郎(蔦重)を主人公とした笑いと涙と謎に満ちた“痛快”エンターテインメントドラマ。舞台は、文化隆盛の江戸時代中期。蔦重は、喜多川歌麿、葛飾北斎、山東京伝、滝沢馬琴を見出し、日本史史上最大の謎のひとつ“東洲斎写楽”を世に送り出す。日本のメディア産業、ポップカルチャーの礎を築き、時にお上に目を付けられても“面白さ”を追求し続ける。

 主人公・蔦屋重三郎役で横浜流星が主演を務め、脚本は、『おんな城主 直虎』(NHK総合)、『大奥』(NHK総合)などの森下佳子が手がける。

 水野が演じるのは、伝説の遊女を輩出する老舗の松葉屋の女将・いね。いねもかつて花魁であったが、主人(正名僕蔵)に見初められ女将として見世の経営に携わるように。四代目・瀬川とは同年代であり、いつしか花の井(小芝風花)に瀬川の名跡の “或るいわく”について語る。

 久保田が演じるのは、「呼出」のトップで花の井の先を行く存在となる松の井。「呼出」は当時最高級の遊女であり、客からの指名を受けると禿(かむろ)や振袖新造(ふりそでしんぞう)を従えて引手茶屋まで客を迎えに行く。これを“花魁道中”と呼ぶ。

 小野が演じるのは、松の井、花の井に次ぐ遊女・うつせみ。「座敷持ち」は「呼出」の下のランクで、自分の客を接待するための座敷を持っている中堅の遊女。“花魁道中”は行わないが、禿や振袖新造がついて身の回りの世話をする。とある出会いがきっかけで、幼い頃から吉原で遊女として生きてきたうつせみの人生が大きく変わることになる。

 東野が演じるのは、花魁・志津山。吉原の店や遊女から協賛金を集めて、吉原名うての遊女たちを花に“見立てて”紹介する“限定本”「一目千本」の中で、志津山は「葛の花」として見立てられた。「一目千本」は蔦重が初めて作った本となる。

 中島が演じるのは、吉原最下層の“河岸見世”「二文字屋」で生きる遊女・ちどり。吉原の周囲をめぐる「お歯黒どぶ」に沿って立ち並ぶ最下層の遊女屋が「河岸見世」。年齢や病気、愛想のなさなど、様々な理由で行き場を失った遊女たちが集まる。なじみの客でかろうじてにぎわう老舗妓楼に比べ、市中の岡場所(非公認の遊郭)に客を取られ、客足の遠のいた河岸見世では、常に貧しさと病が蔓延する。ちどりも行き場を失い河岸見世に転落した女郎の一人。そこでひとりの女郎に命を救われることになる。

 かたせが演じるのは、行き場のない遊女たちを抱える“河岸見世”「二文字屋」の女将・きく。きくもかつては吉原の遊女であり、年季があけて場末の遊女屋の経営を任されている。己の欲や利益だけを考えている忘八(引手茶屋や妓楼の経営者)たちとは違い、最下層で生きる女たちに手を差し伸べようと腐心する蔦重に心を動かされる。

 なお、久保田、小野、東野、中島は本作が大河ドラマ初出演となる。

 また、今回の大河ドラマには、日本近世文学研究者や時代考証のほかに、インティマシーコーディネーターの浅田智穂もスタッフとして参加している。

コメント

水野美紀(いね役)

歳を重ねるに連れ、『人の世の常』というものをしみじみ実感します。環境は違えど、そこには、同じ人間の営みがある。「べらぼう」の脚本を読んで、そんな事を考えました。アイデアと情熱で道を切り開いて行く蔦重の生き方には、現代を生き抜くためのヒントが詰まっている気がします。

信念を持って、そのアイデアと行動力で人脈を築き、成り上がって行く魅力的な主人公を、横浜流星さんが生き生きと演じる姿が脳裏に躍動して、撮影現場で蔦重に会えるのが今から楽しみでなりません。

私は妓楼の女将を演じます。金勘定にシビアな一面が表立っていますが、この先、脚本が進んでキャラクターがさらに見えて来るのが楽しみです。

香川出身の平賀源内も同じ時代を生きた人物で、登場するとしたら、それも楽しみです。エレキテルを復元した人。土用の丑の日をプロデュースした人として知られる人ですが、発明家であり人気作家でもあり芸術家でもあった人物。現代であれば映画の脚本も書きコピーライターでもありイラストレーターでもあり発明家でもある、といったところ。相当面白い人だったんじゃないでしょうか。
源内が現代に生まれ、今、香川の観光大使になっていたら、どんな風に香川を宣伝するのだろう、なんて考えてしまいます。

粋で逞(たくま)しく、情に厚く、驚くようなアイデアと才能を発揮する。そんな魅力的すぎるキャラクターがたくさん登場するこの「べらぼう」を、皆様どうぞお楽しみいただけたらと思います。

久保田紗友(松の井役)※大河ドラマ初出演

「べらぼう」の制作発表があった時、まさか自分が携わることができるとは思ってもみなかったですし、大河ドラマ初出演ということもあり、今回携われることに驚きと嬉しさで心が躍りました。松の井は志が誰よりも高く性別問わず支持されているような妖艶さもかっこよさも持ちあわせている女性です。ナンバーワン売れっ子遊女ということで、花魁の世界を松の井の存在を通して華々しく彩られたらと思います。

一緒にお芝居をさせていただくことにまだ現実味がないと思っていた役者の皆さんと同じ空間でお芝居することができることや、横浜流星さんはじめとした錚々たる先輩方の背中を近くで見ながら学べることが、何よりも嬉しいです。今までご一緒させていただいた方々もいらっしゃって、またの共演が大河ドラマの現場というのは有り難く感じますし、私自身このお仕事を続けていてよかったと思う瞬間でもあります。

本作は江戸っ子の底力を感じていただける作品だと思うので作品を通して皆様の活力に少しでもなれたらと思います。私自身、地元愛が強いので北海道の、幅広い年代の方にも楽しんでいただけたら嬉しいです。

小野花梨(うつせみ役)※大河ドラマ初出演

提供・ENCOUNT 撮影・荒川祐史

若くして吉原に売られた遊女の葛藤をどんな風に表現できるか。まずは吉原という世界を勉強するところから始めようと思います。
吉原で働く遊女として、そして一人の女性として、森下さんの脚本の中で生きられることがとても嬉しいです。
良きこともそうでないことも、精一杯向き合い表現できたらと思います。
初めての大河ドラマ、嬉しいです。大河ならではの華やかな俳優さんたちとご一緒できることが楽しみです。

東野絢香(志津山役)※大河ドラマ初出演

私が演じる志津山は、勝気でとても負けん気が強く、生命力の強い花魁です。時代や環境に適応して、自分が幸せになるためにはなんだって出来る女性だと感じました。
「べらぼう」の世界で、吉原の街を生きる1人の人間を、愛らしく艶やかに、ちょっぴりガラが悪く、演じられたらなと思います。
横浜流星さんを始め、とても素敵な方々ばかりで、一緒に作品へ携わらせて頂き光栄です。
女性キャストの皆さまも、溌剌とした魅力あふれる方々で、たくさん学ばせて頂きたいです。
とても活気のある江戸の街になるんだろうなと、胸が躍ります。
今回、念願の大河ドラマに初めて出演させて頂きます。時代劇の経験はまだまだ少なく、花魁の役も初めてで、日々図書館で勉強中です。
江戸の壮大なエンターテインメントが、令和の時代の皆さまにも楽しんで頂けるよう、精一杯頑張ります。

中島瑠菜(ちどり役)※大河ドラマ初出演

私の演じる「二文字屋」の女郎ちどりは、 河岸見世の女郎で、男の人を上手く立てることができず、お客さんを取れない不器用な女性だと伺いました。 時代や立場は違いますが、人との向き合い方は私も少し苦手な部分があるので、 似ている部分を上手く役に活かしていけたらなと思います。今まで演じたことの無い役柄ですので 、新しい一面を見せることができるよう頑張りたいと思います。
かたせ梨乃さんとの共演を楽しみにしています。小さい時から、父の影響でテレビや映画で観ており、憧れの女優さんです。ご一緒できるのが今からとても楽しみです!!
念願の大河ドラマ出演なので、地元・熊本の方にも是非観ていただきたいです。大河ドラマは幅広い年代の方に愛されているドラマです。「べらぼう」は18世紀半ばの江戸のお話ですが、現代にも通じる部分も沢山あるので、特に私と同年代の方にも観ていただけたら嬉しいなと思います。

かたせ梨乃(きく役)

時空を超えて、「菊川」、昔の名前で出ています。
30数年前『吉原炎上』という映画の世界で大門の内で暮らすという擬似体験をして、私の中で眠っていた吉原の色と音が甦りました。酸いも甘いも知った女郎上がりの女がここで生きることを選んだ生き様を演じることが出来たら、と台本を握りしめております。

吉原の緋色は女性を一番美しく見せる色だそうです。
眉を落とし、刷毛で襟を白く塗り、廓言葉を使い非日常な世界を送ってきた女郎の哀しみや小さな喜びが表現できましたら、と思っております。

今回は初めてお仕事させて頂く役者さんが沢山いらっしゃいますのでワクワクしております。
横浜流星さんは、昨年「春に散る」という映画を拝見して、お目にかかりたいなと思っておりました。その日がこんなに早く来るとは!とても楽しみです。
小芝風花さんとは、2013年『スケート靴の約束』というドラマでご一緒させて頂きました。可愛らしい、芯の強い女優さんだと。大人になってどんな魅力的な花魁で登場されるかドキドキしますね!

時代考証などスタッフの一部

鈴木俊幸

中央大学教授。近世後期の小説(戯作)や狂歌などの文芸、書籍文化史が専門。2005年日本出版学会賞、2008年ゲスナー賞、2013年岩瀬弥助記念書物文化賞、2019年やまなし文学賞受賞。著書に『新版 蔦屋重三郎』『蔦重出版書目』など蔦屋重三郎研究の第一人者として知られる。

棚橋正博

日本近世文学研究者。帝京大学元教授。著書に『黄表紙の研究』『山東京伝の黄表紙を読む』など、山東京伝を中心に近世後期戯作(滑稽本・黄表紙など)が専門。

松嶋雅人

東京国立博物館研究員。日本の近世から近代にかけての絵画史を中心に研究。主な展覧会企画に『俺たちの国芳 わたしの国貞』『マルセル・デュシャンと日本美術』『150年後の国宝展』『本阿弥光悦の大宇宙』など。

山村竜也

時代考証家。多くのNHKの時代劇ドラマの考証を担う。これまで担当した作品は、大河ドラマ『新選組!』『龍馬伝』『八重の桜』『西郷どん』など。

佐多芳彦

立正大学教授。日本風俗史学会理事を歴任。NHKではこれまで多くの大河ドラマや時代劇ドラマの風俗考証を担う。これまで担当した作品は大河ドラマ『麒麟がくる』『鎌倉殿の13人』『どうする家康』『光る君へ』、ドラマ10『大奥』など。

山田順子

時代考証家。テレビドラマや映画、コミックなどの時代考証を数多く担う。代表作にはドラマ『JIN-仁-』『天皇の料理番』など。吉原の文化や風俗に関する造詣が深く『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』では、吉原の歴史、風俗、文化、ことばを担当。

浅田智穂

インティマシーコーディネーター。「インティマシーコーディネーター」はインティマシー(親密な)シーンと呼ばれる、ヌードや性的な描写において、制作側の期待値を十分に理解した上で、それを的確に俳優に伝え、演じる俳優を身体的、精神的に守りサポートする役割。2020年、Intimacy Professionals Association(IPA)にて養成プログラムを修了。IPA公認のもと活動開始。NHKでは、ドラマ10「大奥」ではじめてインティマシーコーディネーターを導入。

■放送情報
大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』
NHK総合にて、2025年放送
出演:横浜流星、小芝風花、渡辺謙、染谷将太、宮沢氷魚、片岡愛之助
脚本:森下佳子
制作統括:藤並英樹
プロデューサー:石村将太、松田恭典
演出:大原拓、深川貴志